60’s, 70's, Rock, Spotify

映画『ジョジョ・ラビット』。制作者の音楽に対するこだわりを見て取った

普段はあまり映画を観ない私だが、映画ファンの娘に「おすすめだから」と連れ出された『ジョジョ・ラビット』が、言葉に違わず面白かった。楽しめた。映画ファンでない自分として公に作品批評を行う度胸はないので、音楽的ウンチクを書く。
 
この作品の重要な要素である、1曲目とエンディングの挿入歌に、制作者の音楽に対するこだわりを見て取った。1曲名はビートルズの『I Want To Hold Your Hand』(邦題:「抱きしめたい」)だったが、ドイツ語バージョンであるところが、いきなり腑に落ちた。
 
ヒトラーに熱狂するドイツ国民の実写(?)フィルムに「Yeah, you’ve got that something. I think you’ll understand. When I’ll say that something」(英語版だけど)てな感じのストレートなラブソングを持ってくる風刺マインドに脱帽。
 
ビートルズのオリジナルを映画などの映像に利用する際のシンクロフィーは、一声「1億円!」と言われるだけに、この映画のプロデューサーの音楽に対する情熱が透けて見えるオープニングだった。
 
ただ、ビートルズ自身は、ドイツ語で歌うことを嫌がったそうで、パリでのレコーディングの際、スタジオに現れないので、エプスタインがホテルに呼びにいったら、部屋に籠城してしばらく出てこなかったという逸話がある。
 
デビィッド・ボウイの名曲がラストシーンに…
 
そして、ラストシーンから流れ始め、そのままエンドロールへと続く楽曲はデビィッド・ボウイ『Heroes』のドイツ語版。以下は、ウィキペディアの解説からの抜粋。なるほど、こちらも腑に落ちた。

ボウイは、ベルリンの壁の傍で落ち合う恋人達の姿を見て、この曲の着想を得たと語っている。歌詞では、閉塞的な状況に置かれた男が、「ヒーローズ」という言葉を儚い夢として用いており、その内容は英雄崇拝・英雄志向的なものではない。
作詞は、デビィッド・ボウイで、作曲はブライアン・イーノ。一時期、ボウイは、ジャーマン・ロックに傾倒しイーノとともにドイツに長期滞在したというが、そのときに作った楽曲なので、ドイツ語版を録音したようだ。ちなみに、フランス語版もある。「英雄夢語り」という邦題も名訳かもね。
では、Spotifyでお聴きください。


コメントは受け付けていません。

Theme by Anders Norén