Solina String Ensembleという鍵盤楽器があります。70年代後半から80年代にかけて大活躍したアナログシンセの一種ですが、その名が示す通り、ストリングスの音を手軽に再現することができるキーボードです。

AlinaStringEnsembleKawabata

デジタル楽器のリアルなストリングスの音を聞き慣れた今となっては「だから何?」的な部分もありますが、やはりこの楽器でしか出せない空気が曲中に満ちるのがわかります。逆に言うと、オルガンやピアノのようにソロなどで前面に出て来る楽器ではないので、地味な存在ではあります。

というわけで、Solina String Ensembleが使われている曲を集めました。検索して情報を集めた結果の選曲なので、私自身すべての曲を知っているわけではありませんが一世を風靡した楽器だけに、もっともっとたくさんの曲で使われていると思います。

ちなみに、なぜこのようなプレイリストを作成したのかというと、私(山崎)は、Alina String Ensembleという名称のSolinaをシミュレートしたiPhone/iPadアプリをリリースしたからです。

Bugglesの大ヒット曲「Video Killed The Radio Star」では、イントロのピアノとのユニゾンでSolinaが鳴っています。そしてヴァースの後半部分やサビのところでは、スタッカートぎみのアルペジオで登場します。

Bugglesのキーボード奏者、ジェフ・ダウンズは、この頃のインタビューで、「楽器はSolinaとCP80(ヤマハの電気ピアノ)があればいい」的な発言をしていました。ただ、その後、この人は、エイジアに参加し武道館でのライブ「Asia in Asia」では、アナログキーボードを数十台横一直線に並べるという狂気のような演奏スタイルを見せつけ世界の度肝を抜きました。全米に衛星生放送されたライブだったので派手にしたかったのでしょう。

あの時代は、極端な話、キーボード1台につき1音色という感じだったので、多彩な音を出したければたくさんのキーボードを並べる必要がありました。その後、デジタル全盛の時代になり、ボタン1つでいろいろな音が呼び出せるようになったので、鍵盤楽器を山のように積み上げるスタイルは影を潜めます。

ストーンズの「Fool To Cry」もSolinaがとても印象的に響きます。イントロや間奏で、フェーザーをかけたエレキピアノの向こう側で、わざとチープな感じの音色で白玉で入るSolinaの音はこの曲の要と言っても過言ではありません。このチープ感が、ねちっこく歌うミックのボーカルとミスマッチの妙を演出しています。名曲です。

ピーター・フランプトンの「I’m In You」においてもなかりの頻度でSolinaが鳴っています。秀逸な残響効果が加味され、大きく広がる空間を感じさせます。

ピンク・フロイドの「Welcome To The Machine」では、アコギとシンセだけで展開していたかと思うと、1分25秒あたりで、意表を突いてSolinaがなります。このあたり楽器の使い方はさすがフロイドです。そして、圧巻は2分40秒あたりからのブリッジパートです。アコギとユニゾンで上昇していくSolinaの面的な音壁にシンセのポルタメントがズブリと突き刺さります。かっこいい。

では、今回は、SpotifyとGoogle Playミュージックのプレイリストでお聴きください。なぜかiTunesでApple Musicのプレイリストが吹き飛んでしまい、その後、新しく作ったプレイリストに曲を追加することができない現象が起きており、困っています。なので、今回はApple Musicのプレイリストはなしです。

Google Playミュージックのプレイリストへのリンク

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