3月にジャクソン・ブラウン(Jackson Browne)が来日します。今でも鮮明に覚えているのは、1977年3月の初来日公演の興奮です。私が観たのは、新宿厚生年金会館でのライブでした。JBの中でも名盤中の名盤だと信じて疑わない「The Pretender」のツアーでした。何が凄かったかって、アンコールが終わり、客電が点り、客のほとんどがロビーに出たところで、突然JBやバックバンドが再登場したかと思うと、「戻ってこいよ」的なかけ声と共にまたまた演奏を始めたのでした。

ホールの扉を出かかったところだった私は、最前列ステージ下まで走り寄って、ノリノリで飛び跳ねてしまったわけですね。あの頃私は若かった。19歳だったと思います。JBは目の前でした、唾液が飛んできそうな距離でした。その際、演奏した曲は、記憶が正しければ「Late for the Sky」からのロックンロールナンバー“ザ・ロード アンド ザ スカイ (The Road And The Sky)”でした。オリジナルは、3分強とコンパクトなこの曲を延々と30分近く演ってくれました。

一度は扉を出て家路につきかけた多くの客が再び戻り乱入状態で無秩序で騒乱のロケンロール大会が繰り広げられたことは至極当然の状況だったわけです。イスの上に乗り飛び跳ねているヤツもいました。当然イスは壊れたことでしょう。規制だらけで、席から離れることが許されない現在のライブからは想像がつきませんが、昔は大らかでした。

ただ、JBや観客は大喜びでしたが、ホール側の人は、苦々しく思っていたことでしょう。時間を大幅に超えて狂気の沙汰で手がつけられない状態なわけですから。その後、JB関係が新宿厚生年金会館を出入り禁止になったかどうかは、わかりませんが、私がホール管理者なら、そうします。

今では、すっかり落ち着いている「現代の吟遊詩人」たるJBですが、こんなやんちゃな事もしでかしていたのです。