チャック・レイニーというセッション系のベースプレイヤーがいます。あれは、18歳のときでした。ブラック系の音楽が好きな友人が僕の耳の穴にヘッドフォンをねじ込むかのような勢いで「まあ、ダマされたと思って聴いてみ」と、聴かせてくれたのが、スティーリー・ダンのアルバムでプレイするチャック・レイニーのベースでした。

それまで、クリス・スクワイヤとかロジャー・グローバーといったロック系のゴリゴリベースこそがベースなのだ!と信じて疑わなかった僕にとって、チャック・レイニーのベースはちょっとした衝撃でした。

跳ねながらも、極めてタイトで引き締まったリズムを土台で支える演奏にイッパツでやれてしまいました。世の中にはこんなベースがあるのかと…。そんなチャック・レイニーの名演を集めました。それにしても、この人はあらゆるスタイルを変幻自在に弾きこなす、まさにグレートなプレイヤーです。

これらの曲の中で一番チャック・レイニーらしいプレイは、Shirley Scott and the Soul Saxesの「Get Back」ですね。軽快な跳ね具合が半端なく、かつ正確無比なピッキングを聴くことができます。すばらしい!